

たかしん文庫第5弾は、森絵都さんの「カラフル」です。
書店に行くと一際目を引く黄色の表紙が印象的で手に取ってみました。
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中学生の頃「ダイブ」を読む機会があり、森絵都さんの存在自体は知っていましたし、物語もとても読みやすく、面白かったことを覚えています。
今回の記事では、読んでみての率直な感想をお伝えしようと思いますので、最後まで読んでいただけると幸いです。
あらすじ
生前の罪により輪廻のサイクルから外された”ぼく”の魂が天使業界の抽選に当たり、再挑戦のチャンスを得た。
自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の”欠点”や”美点”が見えてくるようになる……。
老若男女に読み継がれる不朽の名作。
感想
この作品では、改めて「命の尊さ」を実感しました。
「生きてさえいれば何とかなる」、「今が辛くても、いつかは笑えるときが来る」、「自分らしくもっと自由に生きていいんだよ」
私自身仕事や人間関係で悩み、落ち込んでいる時に、励ましてくれた言葉の数々があります。
確かにこれら励ましの言葉によって、心がふっと軽くなる瞬間がありましたが、何か”実感”を伴っていない感覚もありました。
本当に生きてて楽しいの?本当に笑えるときは来るの?本当に自由に生きていいの?
そうした疑問に対して、優しく肯定し、確かな実感を与えてくれるのがこの”カラフル”という本だと私は感じました。
罪を犯した主人公が人生をやり直し、自分の罪を思い出していくという物語で、天使なども登場するなど若干ファンタジーの世界観もありますが、生まれ変わった後の家庭はどこにでもありそうな所謂“平凡”の家庭。
この現実と非現実との対比があることでより“現実”の世界が色濃く映し出されると思いましたし、一見“平凡”に見えても実は蓋を開けると“複雑”だったり、“複雑”だと思っていても実際は“平凡”だったり、“人生”を定義していくのは難しいと感じました。
人生を定義するのが難しいと感じたと同時に、自分次第で何色にも人生は染められるんだという確信も得ることが出来ました。
特に物語後半の巻き返しが見事で、ページをめくる手が一向に治まらない位夢中になって読み進めていました。
最後まで読み終えたとき、この本が伝えたかった“真のメッセージ”が浮かび上がります。
その瞬間は鳥肌が立ちましたし、実感を伴って「もっと楽に自由に生きてみていいんだ」と思えました。
「カラフル」というタイトル。読み終えてからこれ以外にタイトルのつけようがないんじゃないかと思うくらい、作品とマッチしていることに驚きました。
今の人生で上手くいかず、世界がモノクロに見え、人生の”色”を失ってしまった人には特にこの作品を読んで頂きたいです。
きっとあなただけの”色”が必ず見つかるし、必ずどこかにある。そう大きな実感を得ることができるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
この作品は“自信”を失っていた私自身に勇気を与えてくれる、いや、元々あるはずの確かな”自信”に火をつけてくれる、そんな本でした。
感動すること間違いなしだと思うので、是非手にとって読んでみて下さい。
前回の読書レビューはこちらから↓
最後まで読んでいただきありがとうございました。