皆さんこんにちは。たかしんです。
韓国と北朝鮮の軍事境界線(DMZ)に実際に行ってきたので記事にしてみました!
・韓国と北朝鮮の軍事境界線に興味がある方。
・韓国旅行で軍事境界線に行こうかなと考えている方。
・危険とも言われているけど実際にどうなのか知りたい方。
✎この記事のまとめ
・観光客が行ける軍事境界線は二カ所。
・今回行った臨津閣(イムジンカク)の方はそこまで危険ではない。
・日本人であれば基本誰でも参加できる。
・パスポートは必須。忘れたら見学できない。
・事前予約無しで当日窓口の手続きで参加できた。
本物の北朝鮮を見ると鳥肌が止まりませんでした!
最後まで読んでいただけると幸いです。
軍事境界線(DMZ)とは?
軍事境界線(DMZ:De Militarized Zone;非武装地帯)は朝鮮半島を南北に隔てる境界線のことで、北側の北朝鮮と南側の韓国に分けられます。
その昔、朝鮮半島では北側のソ連・北朝鮮軍と南側の韓国・アメリカ国連軍が戦争をしていました(朝鮮戦争)。
押しつ押されつの攻防の中、1953年7月27日の朝鮮戦争休戦協定により、北緯38°線上に先程も述べた東西に長さ約248㎞にも及ぶ軍事境界線が設けられました。
また、軍事境界線から北朝鮮側・韓国側それぞれ南北に2㎞、計幅4㎞に渡りDMZ(非武装地帯)を設けました。
その名の通りDMZ内では、両国とも軍隊を置くことが禁止されています。
DMZ内は約70年程人が降り立っていないため、手つかずの大自然が広がっている他、200万個ほどの地雷が埋められているとも言われています。
北朝鮮と韓国を隔てるのは軍事境界線であり、国境ではありません。
言い換えると、朝鮮戦争は実質完全に終わった訳ではなく、休戦しているだけなのです。
そのような背景があるため、軍事境界線(DMZ)には世界各国から観光客が訪れます。
日本人が行けるのは2カ所
軍事境界線、DMZへ観光客が行けるところは2カ所あります。
一カ所目は板門店(パンムンジョム)と呼ばれるニュースでもよく取り上げられる代表的な場所です。
2019年に北朝鮮の金正恩総書記とアメリカのトランプ大統領が握手を交わした場所としても話題になりました。少し段差になっているコンクリートの所がまさに両国を隔てる軍事境界線です。
軍事境界線上にある水色の共同警備区域(軍事停戦委員会本会議場)と呼ばれる施設を境に、北朝鮮の軍人と韓国の軍人が対面しており、緊張感が漂います。
2カ所目は臨津閣(イムジンカク)と呼ばれる場所です。
こちらでは板門店で見られないものとして、北朝鮮が韓国のソウルに侵攻する為に掘ったとされる実際のトンネルを見学することが出来ます。
臨津閣は大規模な平和公園であり、国籍を問わず誰でも気軽に訪れる事ができます。
先程述べたトンネルの他にも、多くの展示や展望台、遊園地、カフェなども併設されており、平和を学びながら一日楽しめるスポットです。
今回私は姉と姉の旦那さん(韓国人)と三人で行く計画を立てていたのですが、どうやら板門店は韓国人が行くのは困難な所(長期に渡る申請や団体での申し込みでないと不可)らしいので、もう一方の軍事境界線スポットに行くことに決めました。
有名な板門店に行ってみたい!という方は、外国人であれば事前にツアーを申し込むことで行くことが出来るみたいです。
実際に私は地図でここまで北朝鮮に近づくことが出来ました!一生忘れません!(赤い線が軍事境界線)
臨津閣へのアクセス、行き方など
MAP
✎アクセス
🚗ソウルから車で約1時間程
🚃京義・中央線 臨津閣駅より徒歩10分 (ソウル駅から大体2時間ほど)
㊟途中の文山駅で乗り換え必要。文山から臨津閣行きは1日に2本(10:30と17:15)のみ。(2023.9.7現在)
必須な持ち物
パスポートが必須です!
バスで移動して軍事境界線に入るのですが、その際に韓国の軍人さん2名がバスに乗り込んでパスポートをチェックします。
怪しい人が居ないかどうか最終確認をするわけです。
よって、パスポートを忘れてしまうと見学することができないので注意が必要です。
また、第三トンネルなどを見学する際は、足場が悪く滑りやすいので、動きやすい服装や運動靴で行く事をおすすめします。(私はサンダルで行って見事に滑りました。)
ツアーの流れ、所要時間、感想など
✎ツアーの流れ
①窓口でツアーの予約(パスポート掲示、同意書の記入)
②所定時間になったらバスに乗り込みツアー開始
③DMZ内にある観光施設で10~15分程歴史についてのビデオ視聴、展示資料見学
④北朝鮮が韓国側に向けて掘った実際のトンネルを見学
⑤バスで少し移動し、北朝鮮を見下ろせる都羅展望台へ
⑥バスで少し移動し、DMZ内のお土産ショップへ
⑦バスで出発地点まで戻り、終了
私たちは事前にツアーを予約していなかったので、まずはinformationセンターの窓口でツアーの手続きを試みました。
結論として、事前予約無しで当日での予約も大丈夫でした!(ツアーの時間と空きさえあれば)
DMZは一般人が入る事は基本許されていないので、事前に下記の同意書を書く必要があります。
こんな感じで英語かハングル語で書きます。項目は名前、電話番号、生年月日、住所の4項目です。
同意書を提出し、承認されればOK。あとはツアー開始まで待ちます。
時間になったらバスが所定の場所に来るので乗り込みます。自由席です。平日ですがバスの中はほぼ満席でした。
バスの中では写真や動画の撮影をしないようアナウンスがありました。(ばりばり撮ってる人もいましたが…)
バスで少し進むとDMZに入る為の門みたいな所があり、そこで再度パスポートを用意して最後の本人確認を行います。
韓国の軍人さんが2人入ってきて、乗客全員のパスポートと顔を確認していきます。
特に質問などはなく、黙々と行われます。私の場合は10秒かからないくらいで手短に終わりました。
手続きが終わるとバスはDMZの内部へと入っていきます。入った瞬間から全身に鳥肌が走り、ただならぬ雰囲気を感じ取りました。
窓の外からは地雷注意の看板がそこら中にあり、
「本当にDMZの中にいるのか……」
と改めて実感しましたね。
バスを約10分程走らせると、最初の目的地である資料館と第三トンネルが見学できるスポットにたどり着きました。
最初は資料館のシアタールームらしき部屋で、朝鮮戦争の歴史やDMZの歴史など10~15分ほどの映像を見ます。
この映像には日本語、英語、中国語の三カ国の字幕が付いているので、日本人でも理解することが出来ます。
また、この映像がすごく考えさせられるもので、朝鮮の歴史についてあまり知らなかった私でも簡単に理解することが出来たし、戦争の悲惨さを思い知らされました。
途中本気で涙が出そうになるくらいこみ上げてくる物がありました。
映像が見終わると、その先にある展示施設で、戦争時に使われていた武器の展示や、戦時中の様々な記録などを見ることが出来ます。
元軍人の姉の旦那さんから、武器の使い方など色々と教わりました。
展示室を見終えた後は自由に指定された時間まで第三トンネルなど見学出来ます。
第三トンネル内は写真・動画撮影は禁止されている為内部の様子をお伝えすることは出来ません。
300m程歩いて地下トンネルを進むと、北朝鮮が掘ったトンネルを韓国軍が実際にせき止めた地点へ到達し、うっすら北朝鮮側のトンネルの様子もうかがえます。
そしてその地点はなんと軍事境界線までわずか200m程の距離。ここまで近づけるとは思っていなかったので驚きました。
最後の方は道の幅も高さも狭くなり、男性だと中腰の姿勢で行かないと頭をぶつけてしまうので大変な道のりでした。
その為、動きやすい服装で行くことを強くおすすめします。
第三トンネルの入り口には小さな売店があり、あまりに疲れたのでポカリを購入しました。坂道や狭い路をかなり歩くので、行く方は用心して行って下さい。笑
その後はまたバスへ乗り込み、北朝鮮を見下ろすことが都羅展望台という所に向かいます。
バスを降りて坂をゆっくりと上っていきます。
展望台が見えてきました。ここからは自由行動で、指定された時間まで各自見学出来ます。
まずは室内から。一面目の前に広がっている北朝鮮側のこの光景は多分一生忘れないでしょう。
地図も置いてあるので確認してみると、改めて凄いところに来ているのだと実感します。
屋上へ行くと今度は外から北朝鮮を見下ろすことが出来ます。
ここには無料の双眼鏡がついており、農村部で農作業をする北朝鮮人や、その先には北朝鮮の大都市開城市を見ることが出来ます。
あまり上手く撮れませんでしたが、北朝鮮側のDMZ内にある北朝鮮の国旗です。この写真では分かりづらいかもしれませんが、目視でも確認できます。
韓国側にも同様に国旗が掲げられています。
北朝鮮の大都市、開城市のビルも双眼鏡を通じて見ることが出来、とても刺激的な体験をする事ができました。実際に自分の目で見てみることに深い意味があると感じます。
展望台を見学した後はバスでギフトショップに寄り道し、各自お土産を買った後、DMZを出て臨津閣に戻りツアー終了となります。
↑買ったお土産
ここまで、ツアー全体にかかった所要時間は約3時間でした。
ツアー以外にも様々な見所がある
私たちは時間がなく、ツアー以外の様々な見所スポットをじっくり見て回ることは出来ませんでしたが、一応簡単に最後紹介します。
✎その他のスポット
・平和の鐘:人類平和と民族統一を祈願してつくられた鐘。
・自由の橋:1963年、戦争捕虜12,773人を交換するために仮設された橋。当時の捕虜達は自由の橋を歩いて渡ったという。上の写真参照。(京義道指定記念物第162号)
・BEAT131:実際の軍事施設地下バンカーで、軍状況室、映像体験、展示館で構成。軍用品を観覧する事が出来る。
・臨津閣平和ゴンドラ:民間人出入禁止エリアを結ぶ韓国発のゴンドラ。往復1,7㎞を往復する。
・平和ヌリ公園:芝生の丘を中心とする日常の中の平和な憩いの場。
・蒸気機関車:戦争中に被爆・脱線してから半世紀以上に渡ってDMZに放置されていた南北分断の象徴。(登録文化財第78号)
etc……
↑日本語のパンフレットもきちんと置いてありますのでご安心を。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は軍事境界線、DMZ内に入ることが出来るスポットの1つである臨津閣についてご紹介しました。
当日予約でもツアーに参加する事が出来ましたが、事前に日本からツアー会社を通じて予約することも出来ます。
板門店とセットで行くことが出来るプランもあるみたいなので、気になる方はチェックしてみて下さい!
また、ツアーに参加しなくても、平和公園やゴンドラ、自由の橋、など見所満載なスポットがたくさんあるので気軽に訪れてみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。